電気代と言えば、2016年4月から電力自由化が施行されて以降、「電気代の節約」を意識する方は多くなったのではないでしょうか?
電気自由化の最大のメリットは、今までのように大手電力会社に縛られることなく、「自由に電力会社を選べること」ですよね。
現在では、様々な業種の「新電力」が参入し、400以上の事業所で独自の価格やサービスが提供されています。
さらに、大手電力会社においても、今までの「従量電灯」と別に、使用する時間帯によって選べるプランなど、続々新しい料金プランが発表されています。
そこで今回は、東京電力エリアを中心に、実際どこが電気代の節約になるのか確認していきましょう。他の電力エリアの方にも参考になるかと思いますので参考までにご覧ください。
1.東京電力の新しい料金プランとは?
東京電力、正式には「東京電力ホールディングス」は、首都圏1都7県および静岡県の富士川以東を供給区域・事業地域としています。
東京電力が、電気事業法の一部改正によって、2016年4月から、家庭用電力の小売り全面自由化に対応するため、持株会社体制へ移行して社名が「東京電力ホールディングス」となりました。
略称は、「東電」や「東京電力HD」、または商号の英文表示の頭文字から「TEPCO(テプコ)」と呼ばれることもあります。
その料金プランは、
➀従量電灯B・C
と、従来の料金プランとは別に、電力自由化が導入されて以降、
➁スタンダードプラン
➂プレミアムプラン
④スマートライフプラン
➄夜トクプラン
➅アクアエナジー100
以上、新たに5つの料金プランを提供しています。それぞれ簡単に見ていきましょう。
➀従量電灯B・C
従量電灯Bが一般のご家庭向けのプランとなり、月々の電気料金は、契約の大きさによって決められる「基本料金」と、使用電力量によって計算される「電力量料金」の合計に、再生可能エネルギー発電促進賦課金を加えたものとなります。
なお、電力量料金は燃料価格の変動に応じて、「燃料費調整額」を加算あるいは差し引きして計算します。
基本料金
契約の大きさは、10~60Aの範囲で選べ、60Aを上回るご契約は従量電灯Cとなります。
1契約の基本料金は以下の通りとなっています。
アンペア数 | 基本料金(税込) |
10A | 280円80銭 |
15A | 421円20銭 |
20A | 561円60銭 |
30A | 842円40銭 |
40A | 1,123円20銭 |
50A | 1,404円00銭 |
60A | 1,684円80銭 |
電力量料金
電力量料金 | 単位 | 料金(税込) |
最初の120kWhまで(第1段階料金) | 1kWh | 19円52銭 |
120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金) | 〃 | 26円00銭 |
上記超過(第3段階料金) | 〃 | 30円02銭 |
また、最低月額料金は、231円55銭/1契約となっています。
➁スタンダードプラン
スタンダードプランは、時間帯に関係なく電気を使いたい方向けの料金プランになり、
■ステンダートS:一般のご家庭向け
■スタンダードL:電気製品が多い方向け
と、2種類あり、一般家庭用のスタンダードSは以下の通りになります。
ステンダートS
アンペアブレーカ(電流制限器)による契約です。電気のご使用状況に応じてご契約アンペア(10アンペア〜60アンペア)を選べます。
・基本料金
アンペア数 | 基本料金(税込) |
10A | 280円80銭 |
15A | 421円20銭 |
20A | 561円60銭 |
30A | 842円40銭 |
40A | 1,123円20銭 |
50A | 1,404円00銭 |
60A | 1,684円80銭 |
・電力量料金(1kWhあたり)
電力量料金 | 料金(税込) |
最初の300kWhまで | 23円40銭 |
300kWh超過 | 30円02銭 |
また、最低月額料金は、231円55銭/1契約となっています。
➂プレミアムプラン
プレミアムプランは、ご家族の多い方、ペットを飼っている方など、電気のご使用量が多いお客さまにおすすめのプランとなり、こちらも、
■プレミアムS:一般のご家庭向け
■プレミアムL:電気製品が多い方向け
と、2種類あり、一般家庭用のプレミアムSは以下の通りになります。
プレミアムS
アンペアブレーカまたは、電流を制限する計量器による契約です。
電気のご使用状況に応じてご契約アンペア(10アンペア~60アンペア)を選べます。
・基本料金
アンペア数 | 基本料金(税込) |
10A | 280円80銭 |
15A | 421円20銭 |
20A | 561円60銭 |
30A | 842円40銭 |
40A | 1,123円20銭 |
50A | 1,404円00銭 |
60A | 1,684円80銭 |
・電力量料金(1kWhあたり)
電力量料金 | 料金(税込) |
定額料金 最初の400kWhまで | 9,700円00銭 |
従量料金 400kWh超過 | 29円04銭/1kWh |
④スマートライフプラン
スマートライフプランは、主にオール電化住宅にお住まいの方におすすめの料金プランとなり、時間帯を2つに区分し、午前1時から午前6時までの時間帯の料金を割安に設定されています。
昼間時間:毎日午前6時から翌日の午前1時まで、25円33銭
夜間時間:毎日午前1時から午前6時まで、17円46銭
エコキュートなどの夜間蓄熱式機器(総容量1kVA以上)をご使用で、キッチンや空調も電気という方におすすめです。
また、申し込みの方には、お使いの対象設備(エコキュート、電気温水器、IHクッキングヒーターなど)が故障した際、修理サービスが受けられます。
保証期間:設置から10年
修理回数:無制限(1回の修理につき、上限50万円/台まで)
修理受付:24時間365日
➄夜トクプラン
夜トクプランは、名の通り夜間の電気使用量の割合が高くなるほどおトクになるプランになり、関東エリアの方のみ加入できます。
日中は不在がちのご家庭や、夜間に頻繁に家電を使用したりするなど、夜間の電気を使う方におすすめです。
プランは、以下の2種類に分けられ、1kWhあたりの電力量料金単価(税込)です。
夜トク8
昼間時間:毎日午前7時から午後11時まで、32円14銭
夜間時間:毎日午後11時から翌日の午前7時まで、20円78銭
夜トク12
昼間時間:毎日午前9時から午後9時まで、33円76銭
夜間時間:毎日午後9時から翌日の午前9時まで、22円55銭
➅アクアエナジー100
アクアエナジー100は、水が生み出すエネルギーで地域と暮らしがつながり、発電の際にCO2を排出しない水力発電100%のプランです。
再生可能エネルギーの電気を利用したい方におすすめです。
・基本料金
アンペア数 | 基本料金(税込) |
10A | 550円80銭 |
15A | 826円20銭 |
20A | 1,101円60銭 |
30A | 1,652円40銭 |
40A | 2,203円20銭 |
50A | 2,754円00銭 |
60A | 3,304円80銭 |
・電力量料金(1kWhあたり)
電力量料金 | 料金(税込) |
最初の300kWhまで | 23円40銭 |
300kWhをこえ1kWhにつき | 30円02銭 |
基本料金は高いですが、電気料金の一部を、設備改良による高効率化や水源涵養林の育成など水力電源の維持・拡大へ活用することで、環境に配慮した事業活動を実施しているとのこと。
東電では、以上従来の「従量電灯B・C」と、電力自由化の施行後に5つの新たな料金プランを提供しています。
また、全てのプランにご契約された方には特典として、ポイントが電気料金1,000円(税抜き)につき5ポイント貯まるようです。
貯まったポイントは、1ポイント=1円となり、Tポイント、Pontaポイント、WAONポイント、nanacoポイントに交換できます。
2.東京電力エリアの新電力料金プランを比較しよう!
電力自由化の施行後、東京電力エリアの「新電力」は、現在確認できる範囲で、85事業所が登録されており、全て紹介することは不可能なので、代表的な新電力で比較していきたいと思います。
まず、新電力で提供されている料金ブランは、大手電力会社の「従量電灯」を基に、あとは独自の価格を設定しています。
では、東京電力エリアに対応している新電力の代表的な事業所として、
➀東京ガス
➁Looopでんき(ループでんき)
➂HTBエナジー
と、以上の3事業所の料金プランをご覧ください。
➀東京ガス
首都圏を中心に都市ガスの供給を手がける東京ガスが提供する新電力です。
東京ガスの電気の対応エリアは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、静岡県の9県となっています。
大々的な宣伝や、都市ガス設備の販売・点検網を生かした地道な営業活動により、新電力としてはダントツで最多の80万件を超える契約を獲得しています。
東京ガスの料金プランは、
■ずっとも電気1
■ずっとも電気2
と、2種類あり、「ずっとも電気1」が一般の家庭向けの料金プランになっています。
ずっとも電気1
東京電力の従量電灯Bに該当するプランになり、基本料金となる、契約電流(アンペア)は30Aから60A、電力量料金は電気の使用量ごとに3段階に分かれています。
・基本料金
アンペア数 | 基本料金(税込) |
10A | 30Aからの契約 |
15A | 〃 |
20A | 〃 |
30A | 842円40銭 |
40A | 1,123円20銭 |
50A | 1,404円00銭 |
60A | 1,684円80銭 |
・電力量料金
電力量料金 | 単位 | 料金(税込) |
最初の140kWhまで | 1kWh | 23円24銭 |
140~350kWhまで | 〃 | 23円45銭 |
350kWh超過 | 〃 | 25円93銭 |
ずっとも電気のセット割
すでに東京ガスのガスを使っているご家庭で、電気も東京ガスの「ずっとも電気」に契約変更をした場合、毎月の「ずっとも電気」の基本料金から270円割引になります。
また、上記ガスと電気に契約して、さらに東京ガスの提携プロバイダーに変更すると、「東京ガストリプル割引」が適用され、100円~最大300円さらに割引されます。
➁Looopでんき(ループでんき)
Looopでんきは、東日本大震災の被災地に太陽光発電を設置するボランティア活動から誕生した異色の新電力事業者です。
太陽光発電関連の会社が運営していることもあり、供給する電力の内26%が再生可能エネルギー(20%分はFIT電気)で賄われており、「エコ」に強みがある新電力です。
料金プランは、
■おうちプラン
■ビジネスプラン
と、2種類に分かり、名の通り「おうちプラン」が一般のご家庭向けのプランになります。
おうちプラン
Looopでんきは、基本料金は0円です。
電力量料金は1種類のみで、おうちプランでは26.00 円/kWhと、これだけ。簡単に言えば、使った分だけの支払いとなります。
基本料金が0円なので、電気料金は従量部分だけを支払えば良いのですが、「燃料費調整額」や「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、既存の電力会社と同額が別途に加算されます。
Looopでんきのサービスにプラス(+)してさらにお得に
Looopでんきのサービスに新たな価値を+(プラス)し、価値提供していくサービスです。
自然エネルギーを発電のスタンダードにしていくために、Looopは様々な価値を+(プラス)していきます。
・ソーラー割:住宅用太陽光発電システムをお持ちの方が対象。契約した従量料金から1円値引きされます。
・LooopHome割:住宅用太陽光発電システムのLooopHomeを購入の方対象。契約した従量料金から1円値引きされます。
・Looopでんち割:住宅用蓄電池のLooopでんちをご購入いただいた方が対象。契約した従量料金から3円値引きされます。
➂HTBエナジー
HTBエナジーは、皆さまよくご存じの大手旅行代理店のH.I.S(エイチ・アイ・エス)が設立した新電力です。
使用量や契約アンペアに関係なく、一律5%安くなるという大きな魅力があります。
北海道電力から九州電力までの9エリアに対応しており、「誰でも5%OFF」のシンプルプランが用意されています。
料金プランは、
■東京大江戸プラン(従量電灯B5):一般のご家庭向け
■東京大江戸プラン(従量電灯C5):商店など向け
■東京大江戸プラン(従量電灯B 朝トクコース):5時〜7時の従量料金が無料
■東京大江戸プラン(従量電灯B ママトクコース):19時〜21時の従量料金が無料
と、4つのコースに分かれています。一般的な「東京大江戸プラン(従量電灯B5)」は以下の通りになります。
東京大江戸プラン(従量電灯B5)
30A以上からの契約になり、東京電力の従量電灯B・Cに相当するプランです。
・基本料金
アンペア数 | 基本料金(税込) | 東京電力(従量電灯B) |
10A | 30Aからの契約 | |
15A | 〃 | |
20A | 〃 | |
30A | 800円28銭 | 842円40銭 |
40A | 1,067円04銭 | 1,123円20銭 |
50A | 1,333円80銭 | 1,404円00銭 |
60A | 1,600円56銭 | 1,684円80銭 |
・電力量料金
電力量料金 | 単位 | 料金(税込) | 東京電力(従量電灯B) |
最初の120kWh | 1kWh | 18円46銭 | 19円52銭 |
120~300kWh以上 | 〃 | 24円62銭 | 26円00銭 |
300kWh超過 | 〃 | 28円44銭 | 30円02銭 |
以上の様に、東京電力の従量電灯Bと比べると5%安くなっています。
以上、それぞれ東京電力と比べた場合、セット割、基本料金無料、一律割引といったサービスを行うことで、東京電力の従量電灯と比べると、かなり電気代の節約になるのではないでしょうか。
3.まとめ
今回は、電気代を節約するには契約の見直しが必須!として、東京電力の料金プランや新電力のサービスなどご覧頂きました。
新電力3事業所の料金プランにについてまとめると、東京ガスは、セット割の利用でお得になり、Looopでんきは、基本料金0円でお得になり、最後のHTBエナジーは一律5%割引というように、異なるタイプの新電力事業者のご紹介でした。
実際、東京電力の「従量電灯B」と比べると大幅な電気代の節約になりますが、東京電力においても電気自由化が施行されて以降、新たに5つの料金プランを発表しています。
一概に、どれが一番と明言できないので、あとはご家庭の生活スタイルに合わせて選んでいくことが最も大切なことではないでしょうか。